「一枚の絵を買うとしたら…」 変わる美術鑑賞

 

春の陽光に誘われて、出かけたくなる季節になりました。旭川市内でも多くの絵画イベントが行われています。そこで、今回は絵画をより満喫するための「鑑賞法」をご紹介しましょう。

ある1枚の絵を見て、生き方が変わるということがあります。例えば、棟方志功はゴッホの絵を見て、「ゴッホのような画家になる」といって、後に「世界のムナカタ」といわれる版画家になりました。また、ピカソやブラック、マチスらはセザンヌの絵を見たことで作品が著しく変化し、世界中の美意識を大きく変えました。

 

ところで、ある統計で絵画鑑賞について訊ねたところ、「好き」と答えた人が66%でした。理由は「落ち着くから」(27歳)、「癒やされ、感性が磨かれるから」(38歳)など。一方、「退屈」(29歳)などという理由で、「好きでない」という人も34%ほどいたそうです。また、絵を見に行く人たちの見方としては「興味がなければさらっと、気に入ればじっくり見る」(40歳)、「気になる絵は一周回ってから、もう一度じっくり見る」(37歳)とさまざまでした。

 

ここで、もう一つの美術鑑賞法を紹介しましょう。

それは、美術館やギャラリーで展示されている作品のうち「どれか1つ買うとしたら、どれを選ぶか」という気持ちで絵を見ることです。絵の見方が積極的になりますし、「買うつもり」とか、「どれか1つ、家に飾るとしたら」という目で見ることで、「絵を見せてもらう」という受動的な見方から「自分が好きな絵を見る」という能動的な見方に変わります。実際、ただ絵を見ている時と、買おうとして見ている時とでは、まるで脳の状態が違うといいます。そういう時に脳の中では最も高度な情報処理が行われ、前頭連合野が活性化しているのだそうです。

 

このように見方をほんの少し変えてみることで、まったく新しい美術の魅力に気づきます。誰かと一緒に展覧会へ行き、感想を話し合いながら見ることもお勧めです。きっと想像もつかなかった見方ができるはずです。

 

ちなみに、私が最初に絵に感動したのは、21歳の時にハワイ・ホノルル美術館で見た特別展「ヘンリー・ムーアと棟方志向展」でした。英国の彫刻界の巨匠・ヘンリー・ムーアの代表作と日本の版画家・棟方志向の版画と肉筆画による作品展に圧倒された記憶が残っています。

 

2018-05

 

グラフ旭川2018年5月号より

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